近年問題となっているハラスメントの新しい類型としてマタニティハラスメントがあります。
マタニティハラスメントとは、妊娠・出産または育児休業を理由として従業員に嫌がらせや不利益取り扱いをすることをいいます。
5月30日に東京労働局雇用均等室で取り扱った相談の平成25年度統計が発表されました。
http://tokyo-roudoukyoku.jsite.mhlw.go.jp/var/rev0/0137/5363/201453018384.pdf
本統計によると、セクシュアルハラスメントに関する相談件数は、最も多く全体の36%ですが、平成22年度以降は大幅に減少しており、平成19年度と比較すると半分程度となっています。これに対し、マタニティハラスメント関係の相談件数は全体の19%とセクシュアルハラスメントに次いで多く、徐々に増大しています。
昨年の連合の調査では、マタニティハラスメントの内容としては、「妊娠中や産休明けに心ない言葉を言われた」ことが最も多く、次に多いのは「妊娠・出産がきっかけで、解雇や契約打ち切り、自主退職への誘導等がされた」ことなっています。
企業はセクシュアルハラスメントやパワーハラスメントに対しては労務管理の問題として理解し、就業規則についてもこれらを禁じる規定を置いたり、社内教育を実施する等の対策を取ってきました。
これに対し、マタニティハラスメントについては問題意識自体を有していない企業が多いと思われます。
今後、企業はマタニティハラスメントに関する問題が増加している現状を見こした人事政策を採る必要があるでしょう。