2月14日、労働政策審議会は、厚生労働大臣に対し、有期労働契約の無期転換ルールの特例等について建議を行いました。
http://www.mhlw.go.jp/stf/houdou/0000037303.html
厚生労働省は、この建議の内容を踏まえ、本年の通常国会への法案提出に向け、法律案要綱を作成する予定です。
昨年4月から施行されている改正労働契約法では、有期労働契約の通算契約期間が5年を超える労働者に無期労働契約への転換申込権が認められています(第18条)。
しかし、無期転換申込権が発生する前に事業主が雇止めによって労働契約を終了させるおそれがあるため、全ての無期労働者に一律に労働契約法第18条を適用することの不都合性が指摘されています。
このような観点から、既に、大学教員等については、特別法により、無期転換申込権発生ための通算契約期間は10年に延長されています(「研究開発システムの改革の推進等による研究開発能力の強化及び研究開発等の効率的推進等に関する法律」、「大学の教員等の任期に関する法律」)。
本建議は、無期転換申込権につき、次の特例を設けるべきとしています。
1. 高度専門労働者(一定の期間内に完了する業務に従事する高収入かつ高度な専門的知識、技術または経験を有する有期契約労働者)
企業内の期間限定プロジェクトが完了するまでの期間は、無期転換申込権が発生しない。ただし、その期間が10年を超える場合は無期転換申込権が発生するようにする。
2.定年後に同一事業主または特殊関係事業主に引き続いて雇用されている高齢者
定年後に同一事業主またはこれと一体となって高齢者の雇用機会を確保する特殊関係事業主に引き続いて雇用されている期間は、通算契約期間に算入しない。
そして、本建議は、労働契約の締結・更新時に、事業主が特例の対象となる労働者に対して無期転換申込権発生までの期間等を書面で明示する仕組みを設けるべきとしています。