金融円滑化法終了後の中小企業の事業再生のため、昨年12月から簡易裁判所の特定調停制度を利用した「特定調停スキーム」の運用が開始されています。

日弁連のサイトによると、同スキームにより策定された再生計画に関する税務上の取扱いについて、国税庁に対し、日弁連と日本税理士会連合会が共同で照会を行い、平成26年6月27日付けで回答を得たとのことです。

この回答では、本スキームに基づき策定された再建計画により、照会内容に記載した手順で債権放棄が行われた場合、

  1. 債権者においては、債権放棄額を損金算入することが可能なこと
  2. 債務者においては、債務免除益等の範囲内で期限切れ欠損金を損金算入することが可能なこと

 が明確にされています。

これまでの中小企業の事業再生はリスケジュールが中心で、金融機関が債権放棄(一部の放棄を含む。)に応じることは困難と考えられてきました。
この度、特定調停手続による再建計画に基づく債権放棄額が損金算入できることについて、税務当局から明確な回答を得られたことにより、特定調停スキームを利用することで債権放棄に応じる金融機関が増えることが期待されます。

当ブログには、「特定調停スキーム」で検索されて来られる方が多く、中小企業再生に携わる関係者からは強い関心を持たれている問題かと思われます。現実の運用状況等まだ外部から見えてない部分が多いのですが、当ブログでは可能な限り特定調停スキームに関する情報を提供していきたいと思います。